瀾《はらん》を生じつつある間に我輩のすむ小天地にも小回転と小波瀾があって我下宿の主人公はその尨大《ぼうだい》なる身体を賭《と》してかの小冠者差配と雌雄《しゆう》を決せんとしつつある。しかして我輩は子規の病気を慰めんがためにこの日記をかきつつある。四月二十六日。



底本:「夏目漱石全集10」ちくま文庫、筑摩書房
   1988(昭和63)年7月26日第1刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版夏目漱石全集」筑摩書房
   1971(昭和46)年4月〜1972(昭和47)年1月
入力:柴田卓治
校正:大野晋
1999年11月13日公開
2004年2月28日修正
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