でだんだん責めて行く。――いえ、わたしは黙って見ている。証文の上の貸手が催促に来るのです。あなたも済《すま》していなくっちゃいけません。――何を云っても冷淡に済ましていなくっちゃいけません。けっしてこちらから、一言《ひとこと》も云わないのです。――それで当人いくら頑固《がんこ》だって苦しいから、また、わたしの方へ頭を下げて来る。いえ来なけりゃならないです。その、頭を下げて来た時に、取って抑《おさ》えるのです。いいですか。そうたよって来るなら、おれの云う事を聞くがいい。聞かなければおれは構わん。と云いやあ、向《むこう》でも否《いや》とは云われんです。そこでわたしが、御政《おまさ》さんだって、あんなに苦労してやっている。雑誌なんかで法螺《ほら》ばかり吹き立てていたって始まらない、これから性根《しょうね》を入《い》れかえて、もっと着実な世間に害のないような職業をやれ、教師になる気なら心当りを奔走《ほんそう》してやろう、と持《も》ち懸《か》けるのですね。――そうすればきっと我々の思わく通りになると思うが、どうでしょう」
「そうなれば私はどんなに安心が出来るか知れません」
「やって見ましょうか」
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