ion を定めました。開化とは人間の energy の発現の径路《けいろ》で、この活力が二つの異《ことな》った方向に延びて行って入り乱れて出来たので、その一つは活力節約の移動といって energy を節約せんとする吾人《ごじん》の努力、他の一つは活力を消耗せんとする趣向《しゅこう》、即ち consumption of energy である。この二つが開化を構成する大なる factors で、これ以外には何もない。故《ゆえ》にこの二つのものは開化の factors として sufficient and necessary である。
それで第一の活力を節約せんとする努力は種々の方向へ出るが、先ず距離をつめる、時間を節約する。手でやれば一時間かかる事も、機械で三十分でやってしまう。あるいは手でやれば一時間かかって一つ出来る所を、十も二十もつくる。そうしてわれわれの生活の便を計《はか》るのです。これがあなた方の専門のものであります。他の factor 即ち consumption of energy の努力は積極的のもので、或《ある》種の人達からは国力等の立場より見做《みな》して消極的なもの
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