と壮に合して、未来の生活上に消えがたき痕跡《こんせき》を残すならば、なお進んで還元的感化の妙境に達し得るならば、文芸家の精神|気魄《きはく》は無形の伝染により、社会の大意識に影響するが故に、永久の生命を人類内面の歴史中に得て、ここに自己の使命を完《まっと》うしたるものであります。
[#地付き]――明治四十年四月東京美術学校において述――



底本:「夏目漱石全集10」ちくま文庫、筑摩書房
   1988(昭和63)年7月26日第1刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版夏目漱石全集」筑摩書房
   1971(昭和46)年4月〜1972(昭和47)年1月
※底本で、表題に続いて配置されていた講演の日時と場所に関する情報は、ファイル末に地付きで置きました。
入力:柴田卓治
校正:大野晋
2000年4月11日公開
2008年5月1日修正
青空文庫作成ファイル:
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