《きさく》な話をし続けにしたため、若い人の陽気な笑い声が障子《しょうじ》に響くくらい家の中が賑《にぎ》わった。飯が済んだ後《あと》で、叔父はどういう考か、突然僕に「市《いっ》さん久しぶりに一局やろうか」と云い出した。僕はさほど気が進まなかったけれどもせっかくだから、やりましょうと答えて、叔父と共に別室へ退《しりぞ》いた。二人はそこで二三番打った。固《もと》より下手と下手の勝負なので、時間のかかるはずもなく、碁石《ごいし》を片づけてもまだそれほど遅くはならなかった。二人は煙草《たばこ》を呑《の》みながらまた話を始めた。その時僕は適当な機会を利用してわざと叔父に「千代子さんの縁談はまだ纏《まと》まりませんか」と聞いた。それは固より僕が千代子に対して他意のないという事を示すためであった。がまた一方では、一日も早くこの問題の解決が着けば、自分も安心だし、千代子も幸福だと考えたからである。すると叔父はさすがに男だけあって、何の躊躇《ちゅうちょ》もなくこう云った。――
「いやまだなかなかそう行きそうもない。だんだんそんな話を持って来てくれるものはあるが、何しろむずかしくって弱る。その上調べれば調べ
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