その紐《ひも》の先につけた丸い珠《たま》のぶらぶら動く姿がすぐ千代子の眼に浮んだ。みんなのくれた玩具《おもちゃ》も足や頭の所へ押し込んだ。最後に南無阿弥陀仏の短冊《たんざく》を雪のように振りかけた上へ葢《ふた》をして、白綸子《しろりんず》の被《おい》をした。

        六

 友引《ともびき》は善《よ》くないという御仙《おせん》の説で、葬式を一日延ばしたため、家《うち》の中は陰気な空気の裡《うち》に常よりは賑《にぎ》わった。七つになる嘉吉《かきち》という男の子が、いつもの陣太鼓《じんだいこ》を叩《たた》いて叱られた後《あと》、そっと千代子の傍《そば》へ来て、宵子《よいこ》さんはもう帰って来ないのと聞いた。須永《すなが》が笑いながら、明日《あした》は嘉吉さんも焼場へ持って行って、宵子さんといっしょに焼いてしまうつもりだと調戯《からか》うと、嘉吉はそんなつもりなんか僕|厭《いや》だぜと云いながら、大きな眼をくるくるさせて須永を見た。咲子《さきこ》は、御母さんわたしも明日《あした》御葬式に行きたいわと御仙にせびった。あたしもねと九つになる重子《しげこ》が頼んだ。御仙はようやく気がつい
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