「ああいうものが続々生れて来て、必竟《ひっきょう》どうするんだろう」
彼は親らしくもない感想を起した。その中には、子供ばかりではない、こういう自分や自分の細君なども、必竟どうするんだろうという意味も朧気《おぼろげ》に交《まじ》っていた。
彼は外へ出る前にちょっと寝室へ顔を出した。細君は洗い立てのシーツの上に穏かに寐《ね》ていた。子供も小さい附属物のように、厚い綿の入った新調の夜具|蒲団《ふとん》に包《くる》まれたまま、傍に置いてあった。その子供は赤い顔をしていた。昨夜《ゆうべ》暗闇《くらやみ》で彼の手に触れた寒天のような肉塊とは全く感じの違うものであった。
一切も綺麗《きれい》に始末されていた。其所《そこ》いらには汚《よご》れ物《もの》の影さえ見えなかった。夜来《やらい》の記憶は跡方もない夢らしく見えた。彼は産婆の方を向いた。
「蒲団は換えて遣《や》ったのかい」
「ええ、蒲団も敷布も換えて上げました」
「よくこう早く片付けられるもんだね」
産婆は笑うだけであった。若い時から独身で通して来たこの女の声や態度はどことなく男らしかった。
「貴夫《あなた》がむやみに脱脂綿を使って御しま
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