てた、範疇のつもりであります。御相談では片っ方へ編入してもよろしゅうございます。それから人間の所為を離れていわゆる物質界に意志の発現もしくはそのポテンシャリチーを認めた場合には、この意志は変じて物理上の energy のようなものになります。少なくとも人間の意志とは趣を異にして参ります。かように壮の発現もしくは潜伏が物質界に移るとすると、美の範疇と接近して参ります。それ故時宜によっては、これも美のなかへ押し込んでも構いません。まず不完全ながら善、美、壮、の解釈はこうと致して、この三者に対する我の受け方を叙述するのがこの方面の文学の目的であります。ところが我の受け方は千差万別に錯雑して参りますが、総括すると快不快の二字に帰着致します、好悪の二字に落ちて参ります。すなわち善に逢《あ》って善を好み、悪を見て悪を悪《にく》み、美に接して美を愛し、醜に近づいて醜を忌《い》み、壮を仰いで壮を慕い、弱を目して弱を賤《いや》しむの類であります。固《もと》より善、美、壮の考は人により時により、相違はあります、また、三が冒《おか》し合わないとも限りますまい。現に前に述べたカロリーネの話でも愛に従うのを善と
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