煤u木+内」、第3水準1−85−54]方鑿《えんぜいほうさく》の感に打たれただろう。幸《さいわい》にして親方はさほど偉大な豪傑ではなかった。いくら江戸っ子でも、どれほどたんかを切っても、この渾然《こんぜん》として駘蕩《たいとう》たる天地の大気象には叶《かな》わない。満腹の饒舌《にょうぜつ》を弄《ろう》して、あくまでこの調子を破ろうとする親方は、早く一微塵《いちみじん》となって、怡々《いい》たる春光《しゅんこう》の裏《うち》に浮遊している。矛盾とは、力において、量において、もしくは意気|体躯《たいく》において氷炭相容《ひょうたんあいい》るる能《あた》わずして、しかも同程度に位する物もしくは人の間に在《あ》って始めて、見出し得べき現象である。両者の間隔がはなはだしく懸絶するときは、この矛盾はようやく※[#「さんずい+斯」、第3水準1−87−16]※[#「壟」の「土」に代えて「石」、第3水準1−89−17]磨《しじんろうま》して、かえって大勢力の一部となって活動するに至るかも知れぬ。大人《たいじん》の手足《しゅそく》となって才子が活動し、才子の股肱《ここう》となって昧者《まいしゃ》が活動し、
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