ゥんがえ》が理《り》に落ちていっこうつまらなくなった。こんな中学程度の観想《かんそう》を練りにわざわざ、鏡が池まで来はせぬ。袂《たもと》から煙草《たばこ》を出して、寸燐《マッチ》をシュッと擦《す》る。手応《てごたえ》はあったが火は見えない。敷島《しきしま》のさきに付けて吸ってみると、鼻から煙が出た。なるほど、吸ったんだなとようやく気がついた。寸燐《マッチ》は短かい草のなかで、しばらく雨竜《あまりょう》のような細い煙りを吐いて、すぐ寂滅《じゃくめつ》した。席をずらせてだんだん水際《みずぎわ》まで出て見る。余が茵は天然に池のなかに、ながれ込んで、足を浸《ひた》せば生温《なまぬる》い水につくかも知れぬと云う間際《まぎわ》で、とまる。水を覗《のぞ》いて見る。
眼の届く所はさまで深そうにもない。底には細長い水草《みずぐさ》が、往生《おうじょう》して沈んでいる。余は往生と云うよりほかに形容すべき言葉を知らぬ。岡の薄《すすき》なら靡《なび》く事を知っている。藻《も》の草ならば誘《さそ》う波の情《なさ》けを待つ。百年待っても動きそうもない、水の底に沈められたこの水草は、動くべきすべての姿勢を調《とと
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