ヨ突き当って、左へ折れた行《い》き留《どま》りにある。大《おおき》さは六畳もあろう。大きな紫檀《したん》の机を真中に据《す》えてあるから、思ったより狭苦しい。それへと云う席を見ると、布団《ふとん》の代りに花毯《かたん》が敷いてある。無論支那製だろう。真中を六角に仕切《しき》って、妙な家と、妙な柳が織り出してある。周囲《まわり》は鉄色に近い藍《あい》で、四隅《よすみ》に唐草《からくさ》の模様を飾った茶の輪《わ》を染め抜いてある。支那ではこれを座敷に用いたものか疑わしいが、こうやって布団に代用して見るとすこぶる面白い。印度《インド》の更紗《さらさ》とか、ペルシャの壁掛《かべかけ》とか号するものが、ちょっと間《ま》が抜けているところに価値があるごとく、この花毯もこせつかないところに趣《おもむき》がある。花毯ばかりではない、すべて支那の器具は皆抜けている。どうしても馬鹿で気の長い人種の発明したものとほか取れない。見ているうちに、ぼおっとするところが尊《とう》とい。日本は巾着切《きんちゃくき》りの態度で美術品を作る。西洋は大きくて細《こま》かくて、そうしてどこまでも娑婆気《しゃばっけ》がとれない
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