切り込んだ。そうして行儀よく右左を揃えた。そうして、うんと云った。胸と腰が同時に前へ出た。危ない。のめったと思う途端《とたん》に、重い俵は、とんぼ返りを打って、掘子の手を離れた。掘子はもとの所へ突っ立っている。落ちた俵はしばらく音沙汰《おとさた》もない。と思うと遠くでどさっ[#「どさっ」に傍点]と云った。俵は底まで落切ったと見える。
「どうだ、あの芸が出来るか」
と初さんが聞いた。自分は、
「そうですねえ」
と首を曲げて、恐れ入ってた。すると初さんも掘子《ほりこ》もみんな笑い出した。自分は笑われても全く致し方がないと思って、依然として恐れ入ってた。その時初さんがこんな事を云って聞かした。
「何になっても修業は要《い》るもんだ。やって見ねえうちは、馬鹿にゃ出来ねえ。お前《めえ》が掘子になるにしたって、おっかながって、手先ばかりで抛《な》げ込んで見ねえ。みんな板の上へ落ちちまって、肝心《かんじん》の穴へは這入《はい》りゃしねえ。そうして、鉱《あらがね》の重みで引っ張り込まれるから、かえって剣呑《けんのん》だ。ああ思い切って胸から突き出してかからにゃ……」
と云い掛けると、ほかの男が、
「二
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