。しかしいずれも薄汚いものばかりである。自宅《うち》で敷いていたのとはまるで比較にならない。自分は一番上に乗ってるのを二枚、そっとおろした。そうして、電気灯の光で見た。地《じ》は浅黄《あさぎ》である。模様は白である。その上に垢《あか》が一面に塗りつけてあるから、六分方《ろくぶがた》色変りがして、白い所などは、通例なら我慢のできにくいほどどろんと、化けている。その上すこぶる堅い。搗《つ》き立ての伸《の》し餅《もち》を、金巾《かなきん》に包んだように、綿は綿でかたまって、表布《かわ》とはまるで縁故がないほどの、こちこちしたものである。
 自分はこの布団を畳の上へ平《ひらた》く敷いた。それから残る一枚を平く掛けた。そうして、襯衣《シャツ》だけになって、その間に潜《もぐ》り込んだ。湿《しめ》っぽい中を割り込んで、両足をうんと伸ばしたら踵《かかと》が畳の上へ出たから、また心持引っ込ました。延ばす時も曲げる時も、不断のように軽くしなやかには行かない。みしりと音がするほど、関節が窮屈に硬張《こわば》って、動きたがらない。じっとして、布団の中に膝頭《ひざがしら》を横たえていると、倦怠《だるい》のを通り
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