芻タ|候《そろ》。寒厨《かんちゅう》何の珍味も無之候《これなくそうら》えども、せめてはトチメンボー[#「トチメンボー」に傍点]でもと只今より心掛|居候《おりそろ》。……」
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 まだトチメンボー[#「トチメンボー」に傍点]を振り廻している。失敬なと主人はちょっとむっとする。
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「然《しか》しトチメンボー[#「トチメンボー」に傍点]は近頃材料払底の為め、ことに依ると間に合い兼候《かねそろ》も計りがたきにつき、其節は孔雀《くじゃく》の舌《した》でも御風味に入れ可申候《もうすべくそろ》。……」
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 両天秤《りょうてんびん》をかけたなと主人は、あとが読みたくなる。
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「御承知の通り孔雀一羽につき、舌肉の分量は小指の半《なか》ばにも足らぬ程故|健啖《けんたん》なる大兄の胃嚢《いぶくろ》を充《み》たす為には……」
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 うそをつけと主人は打ち遣《や》ったようにいう。
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「是非共二三十羽の孔雀を捕獲致さざる可《べか》らずと存候《ぞんじそろ》。然る所孔雀は動物園、浅草花
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