り二叉《ふたまた》になっているから、ここで一休息《ひとやすみ》して葉裏から蝉の所在地を探偵する。もっともここまで来るうちに、がさがさと音を立てて、飛び出す気早な連中がいる。一羽飛ぶともういけない。真似をする点において蝉は人間に劣らぬくらい馬鹿である。あとから続々飛び出す。漸々《ようよう》二叉《ふたまた》に到着する時分には満樹|寂《せき》として片声《へんせい》をとどめざる事がある。かつてここまで登って来て、どこをどう見廻わしても、耳をどう振っても蝉気《せみけ》がないので、出直すのも面倒だからしばらく休息しようと、叉《また》の上に陣取って第二の機会を待ち合せていた轣Aいつの間《ま》にか眠くなって、つい黒甜郷裡《こくてんきょうり》に遊んだ。おやと思って眼が醒《さ》めたら、二叉の黒甜郷裡《こくてんきょうり》から庭の敷石の上へどたりと落ちていた。しかし大概は登る度に一つは取って来る。ただ興味の薄い事には樹の上で口に啣《くわ》えてしまわなくてはならん。だから下へ持って来て吐き出す時は大方《おおかた》死んでいる。いくらじゃらしても引っ掻《か》いても確然たる手答がない。蝉取りの妙味はじっと忍んで行って
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