ん》が行かぬ。第一頭の毛などと云うものは自然に生えるものだから、放《ほう》っておく方がもっとも簡便で当人のためになるだろうと思うのに、彼等は入らぬ算段をして種々雑多な恰好《かっこう》をこしらえて得意である。坊主とか自称するものはいつ見ても頭を青くしている。暑いとその上へ日傘をかぶる。寒いと頭巾《ずきん》で包む。これでは何のために青い物を出しているのか主意が立たんではないか。そうかと思うと櫛《くし》とか称する無意味な鋸様《のこぎりよう》の道具を用いて頭の毛を左右に等分して嬉しがってるのもある。等分にしな「と七分三分の割合で頭蓋骨《ずがいこつ》の上へ人為的の区劃《くかく》を立てる。中にはこの仕切りがつむじ[#「つむじ」に傍点]を通り過して後《うし》ろまで食《は》み出しているのがある。まるで贋造《がんぞう》の芭蕉葉《ばしょうは》のようだ。その次には脳天を平らに刈って左右は真直に切り落す。丸い頭へ四角な枠《わく》をはめているから、植木屋を入れた杉垣根の写生としか受け取れない。このほか五分刈、三分刈、一分刈さえあると云う話だから、しまいには頭の裏まで刈り込んでマイナス一分刈、マイナス三分刈などと
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