して来《き》たので、中々《なか/\》立派に見える。
「何《ど》うです、彼方《あつち》へ行《い》つて、ちと外国人と話《はなし》でもしちや」
「いや、真平《まつぴら》だ」と云つて兄《あに》は苦笑《にがわら》ひをした。さうして大きな腹《はら》にぶら下《さ》がつてゐる金鎖《きんぐさり》を指《ゆび》の先《さき》で弄《いぢく》つた。
「何《ど》うも外国人は調子が可《い》いですね。少《すこ》し可《よ》すぎる位だ。あゝ賞《ほ》められると、天気の方でも是非|好《よ》くならなくつちやならなくなる」
「そんなに天気を賞《ほ》めてゐたのかい。へえ。少し暑過《あつす》ぎるぢやないか」
「私《わたし》にも暑過《あつす》ぎる」
誠吾と代助は申し合せた様に、白い手巾《ハンケチ》を出《だ》して額《ひたひ》を拭《ふ》いた。両人《ふたり》共|重《おも》い絹帽《シルクハツト》を被《かぶ》つてゐる。
兄弟は芝生の外《はづ》れの木蔭《こかげ》迄|来《き》て留《とま》つた。近所には誰《だれ》もゐない。向ふの方で余興か何《なに》か始まつてゐる。それを、誠吾は、宅《うち》にゐると同じ様な顔をして、遠くから眺めた。
「兄《あに》の様
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