同じ調子で貫いていました。重くて鈍《のろ》い代りに、とても容易な事では動かせないという感じを私に与えたのです。私の心は半分その自白を聞いていながら、半分どうしようどうしようという念に絶えず掻《か》き乱されていましたから、細《こま》かい点になるとほとんど耳へ入らないと同様でしたが、それでも彼の口に出す言葉の調子だけは強く胸に響きました。そのために私は前いった苦痛ばかりでなく、ときには一種の恐ろしさを感ずるようになったのです。つまり相手は自分より強いのだという恐怖の念が萌《きざ》し始めたのです。
Kの話が一通り済んだ時、私は何ともいう事ができませんでした。こっちも彼の前に同じ意味の自白をしたものだろうか、それとも打ち明けずにいる方が得策だろうか、私はそんな利害を考えて黙っていたのではありません。ただ何事もいえなかったのです。またいう気にもならなかったのです。
午食《ひるめし》の時、Kと私は向い合せに席を占めました。下女《げじょ》に給仕をしてもらって、私はいつにない不味《まず》い飯《めし》を済ませました。二人は食事中もほとんど口を利《き》きませんでした。奥さんとお嬢さんはいつ帰るのだか分
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