『傳説の時代』序
夏目漱石
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)偸《ぬす》んで
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一行|毎《ごと》に
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ーナス
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)とう/\
−−
私はあなたが家事の暇を偸《ぬす》んで『傳説の時代』をとう/\仕舞《しまひ》迄《まで》譯し上げた忍耐と努力に少からず感服して居ります。書物になつて出ると餘程《よほど》の頁數になるさうですが嘸《さぞ》骨の折れた事でせう。原書は私の手元にもあるから承知してゐますが、一寸《ちよつと》見ると四六版の小形の册子に過ぎませんけれども、活字は細《こま》かし、上下は詰つてゐるし、讀むのにさへ隨分《ずいぶん》の時間は懸《かか》ります。況《ま》して一行|毎《ごと》に譯して行くとなつたら、それを專業にする男の手でもさう容易《たやす》くは出來ません。況《ま》して
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