本当に其の時の悲しさと云つたらありませんでした。さうして、私が帰つた時は、先生はもう氷のやうに、冷たくなつてしまつてゐらつしやいました。私は其の時、何《ど》うにかしてよみがへらないものかと思ひました。だつて私は、何うしても、先生がお亡くなりなすつたのだとは思はれませんでした。考へると、本当に悲しい涙の種ばかりです。
[#地付き](「演芸画報」大正七・一二)



底本:「「弔辞」集成 鎮魂の賦」青銅社
   1986(昭和61)年10月15日新装改訂版第1刷発行
   1987(昭和62)年2月10日新装改訂版第7刷発行
初出:「演芸画報」
   1918(大正7)年12月
入力:鈴木厚司
校正:染川隆俊
2010年3月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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