いようになれば、彼は磨かれた人である。人物に大小はあっても人格の上下はない。
私は五十二歳の新年を迎えた。ふりかえりみる過去は『あさましい』の一語で尽きる。ただ感情を偽らないようにして生きていたことが、せめてものよろこびである。
独慎――この二字を今年の書き初めとして、私は心の紙にはっきりと書いた。
[#地付き](「三八九」第五集 昭和八年一月二十日発行)
底本:「山頭火随筆集」講談社文芸文庫、講談社
2002(平成14)年7月10日第1刷発行
2007(平成19)年2月5日第9刷発行
初出:「「三八九」第五集」
1933(昭和8)年1月20日発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年5月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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