日一夜であつた、Kさんにあつくお礼を申上げる。――
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幸福とは幸福と思ふことそのこと、不幸とは不幸と思ふことそのことであるともいへるが、幸福と思はせ、不幸と思はせるものは何か、さういふ心そのものは何であるか。

無我無心の境地[#「無我無心の境地」に傍点]
「万葉集から」

初心者のために
 ○自由律俳句入門
俳句性研究として
 ○句作雑感
山頭火通信
 ○其中消息
乞食井月[#「乞食井月」に白三角傍点]

事実と真実――
 ことしもけふぎりの米五升[#「五升」に白三角傍点]
自然と芸術――
 誰を待つとてゆふべは萩のしきりに[#「しきりに」に白三角傍点]こぼれ

「孤寒抄[#「孤寒抄」に白三角傍点]」  ┌銃後風景
       │逍遙遊
「天青地白」 └旅で拾ふ
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私に出来る事はたつた二つしかない、
酒を飲むこと[#「酒を飲むこと」に傍線]、句を作ること[#「句を作ること」に傍線]、
飲んでは苦しみ、苦しんでは飲む、食ふや食はずで
句作する、まことに阿呆らしさのかぎりだ、
業《ゴウ》、業、業。

  遺骨を迎へて
ぽろぽろ流れる汗が白い函に
馬も召されておぢいさんおばあさん
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底本:「山頭火全集 第八巻」春陽堂書店
   1987(昭和62)年7月25日第1刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※複数行にかかる中括弧には、けい線素片をあてました。
入力:小林繁雄
校正:仙酔ゑびす
2010年4月22日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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