つゝましかるべし[#「老いてはつゝましかるべし」に傍点]!
五月二日[#「五月二日」に二重傍線] 曇――雨。
身心整理する外ない、さうするには、さしあたり、旅に出る外ない、歩かう歩かう、風のまに/\!
夕方、ポストまで出かけたついでにシヨウチユウを買うて戻る、どうも米を買ふには足りない、それに気が欝いでたへきれなくなつた。
アルコールのおかげで快眠、うれしかつた。
五月三日[#「五月三日」に二重傍線] 雨――曇。
欝々として楽しまない、幸にしてK社から句稿料が届いたので街へ出かけて二三杯呷る、その勢で山口へ行く、飲んで酔うてS屋に泊る、前後不覚、一切合切が空つぽになつた。
五月四日[#「五月四日」に二重傍線] 曇。
朝帰庵、飯を炊いたり洗濯したり、そして読んだり考へたり、――労れていつとなし寝入りこんでしまつた。
五月五日[#「五月五日」に二重傍線] 曇。
さらに転一歩[#「さらに転一歩」に傍点]。――
夕方、敬君酔うて来庵、いろ/\考へさせられる、同道してW店を襲ひ、私もまた酔ふ、帰つたのは十一時近かつたらう、そのまゝぐつすり睡つて、夜の明けるまでちつとも覚え
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