ひ)
・もう葉ざくらとなり機関車のけむり
・うどん一杯、青麦を走る汽車風景で
・風がつよすぎる生れたばかりのとんぼ
・山ふところわく水のあればまいまい
[#ここで字下げ終わり]

 四月十五日[#「四月十五日」に二重傍線] 曇、めつきりぬくうなつた。

去年の今日[#「去年の今日」に傍点]をおもふ、飯田で病みついた日である、死生の境[#「死生の境」に傍点]を彷徨しだした今日である。
アルコールの誘惑[#「アルコールの誘惑」に傍点]! その誘惑からのがれなければならない、いや、アルコールに誘惑されないほどの、不動平静の身心を練りあげなければならない。
アルコールの誘惑と酒のうまさ[#「酒のうまさ」に傍点]とは別々である。
柿の芽がうつくしい、燕の身軽さよ。
いや/\ながら街へゆく(この事実でも私の衰弱を証明する、一日三度も街へ出かけた私ではなかつたか)、出さなければならない手紙もあるし、石油もなくなつたし、塩すらもなくなつてゐるから、――米もなくなつてゐるけれど、買ふだけの銭がないので、今日はそば粉か何かですます(これは断じて貧乏ではない)。
塩ほど必要でそして安価なものはない、同時に、
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