に興じたりする、そのうちに幸か不幸かH君に会ふ、M食堂へ誘はれて這入る、女給よりも刺身がうまかつた! 酔歩まんさんとして戻つたのは三時頃か、アルコールのおかげで前後不覚。
……酔うても乱れない[#「酔うても乱れない」に傍点]……山頭火万歳!
雲がいつしかなくなつて月が冴えてゐたことは見逃さなかつた、仲秋らしい月光に照らされて、私は労れてゐたけれど幸福だつた。
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・とうふやさんの笛が、もう郵便やさんがくるころの秋草
・すすきすこしほほけたる虫のしめやかな
砂掘れば水澄めばなんぼでも蜆貝
食べやうとする蜆貝みんな口あけてゐるか
秋の蚊のするどくさみしくうたれた
徳利から徳利へ秋の夜の酒を
・ひとりいちにち大きい木を挽く
いつとなく手が火鉢へ蝿もきてゐる
ゆふべのそりとやつてきた犬で食べるものがない
・秋雨ふけて処女をなくした顔がうたふ
・何がこんなにねむらせない月夜の蕎麦の花
・こゝろ澄ませばみんな鳴きかはしてゐる虫
・おのれにこもればまへもうしろもまんぢゆさけ
出れば引く戻れば引く鳴子がらがら
・ひとりとひとりで虫は裏藪で鉦たたく
風が肌寒い新国道の
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