で飲む、そして例の如くとろ/\になり、街に出かけてどろ/\になつて戻つた。
[#ここから2字下げ]
・雪ふりかゝる二人のなかのよいことは
・雪がふる人を見送る雪がふる
・この道しかない春の雪ふる
・ふる雪の、すぐ解ける雪のアスフアルトで
・かげもいつしよにあるく
・けふはこゝまでの草鞋をぬぐ
・椿咲きつづいて落ちつく
[#ここで字下げ終わり]

 三月十五日[#「三月十五日」に二重傍線]

雪が降りしきる、敬君を駅まで見送る、一杯やる、雪見酒といつてもよい。
酔うて労れてぐつすりと寝た。
夜は読書。

 三月十六日[#「三月十六日」に二重傍線]

雪、しづかな雪であり、しずかな私だつた。
おとなしく新酒一本、それで沢山。
[#ここから2字下げ]
・うれしいたよりもかなしいたよりも春の雪ふる
・けふも木を伐る音がしづかな山のいろ
[#ここで字下げ終わり]

 三月十七日[#「三月十七日」に二重傍線]

晴、風、春だ。
旅立つ用意をする。――
蓬摘む女の姿、春らしいな。

 三月十八日[#「三月十八日」に二重傍線]

晴、今日からお彼岸。
なしたい事、なすべき事、なさずにはゐられない事。

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