んせつでしずかで、そしてまじめで、――名勝、和食の松原、名産、和食笠。
夕方、はだしで五丁も十丁も出かけて、一杯ひっかけて(何といううまさ!)、ずぶぬれになった、御苦労々々々。
晩食後、同宿の行商老人と共に宿の主人から轟神社の神事について聞かされた、どこでもたれでもお国自慢は旅の好話題というべしである。
今日は大降りだった、とある路傍のお宮で雨やどりしていると田舎のおかみさん二人もやってきた、その会話がおもしろい、言葉がよく解らないけれど、腰巻の話、おやじの話、息子の話。
今日の功徳はめずらしくも、銭二十八銭、米九合余。
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(夕食) (朝食)
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菜葉おひたし そうめん汁 米一升渡
そうめん いりこ 内五合は飯
梅ショウガ 梅干 不足金
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十三銭也
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(十一月九日)
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水音明けてくる長い橋をわたる
朝の橋をわたるより乞ひはじめる
朝のひかりただよへばうたふもの
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高知へ
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日に日に近うなる松原つづく
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