にして置いて第二義第三義の問題に没頭するとき、俳壇は堕落するばかりである。

 一切の事象は内部化[#「内部化」に傍点]されなければならない。内部化されて初めて価値を持つ。
 生命ある作品とは必然性[#「必然性」に傍点]を有する作品である。必然性は人間性のどん底にある。
 詩人は自発的[#「自発的」に傍点]でなければならない。価値の創造者[#「価値の創造者」に傍点]でなければならない。
 新らしい俳人はまず人間として苦しまなければならない。苦しみ、苦しみ、苦しみぬいた人間のみが詩人である。――(九、二六、夜)――
[#地付き](「樹」大正五年十一月号)



底本:「山頭火随筆集」講談社文芸文庫、講談社
   2002(平成14)年7月10日第1刷発行
   2007(平成19)年2月5日第9刷発行
初出:「樹 大正五年十一月号」
   1916(大正5)年11月
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年5月19日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたっ
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