て下へ敷く。わたは別に外して輪切りにして添える。あしらいものに青じそを細かく刻んで添えるなども風情があってよい。
そして、ごらんの通り、元の貝の中に宿らせる。一度ひとの手にかかって料理されたが、ここに料理として生きた姿において食膳にまみえるという意をみせようという心遣いである。
二杯酢の作り方は、酢六勺にだし四勺、すなわち四分六にぼんやりやわらげた酢を作り、それに薄口しょうゆを四勺ぐらい入れ、露しょうがを注《さ》して供する。
風薫る初夏の時候に応じたまことに気分のよい、また口当たりのよいものである。家庭においてご主人の酒の肴にも、またご婦人やお子供衆にも向くものとしてお勧めする。
底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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