めし》を食うのには、いくらか味の強いのがよいかも知れない。この辺も「寄せなべ」は自分の好み通りにいくから、まことにもってこいの料理である。
たれ[#「たれ」に傍点]はあらかじめちゃんと調合してつくっておくことが大切である。初めから終りまで一定の味のたれ[#「たれ」に傍点]でやるのでないと、材料がかわるたびに、砂糖を入れる、醤油《しょうゆ》を入れる、水を入れるという具合で、甘かったり、辛《から》かったり、水っぽかったり、味がまちまちになってしまう。それではおもしろくない。また、幾人もが代わるがわる世話をすると、必ずこういうことになる。ひとりきりで世話をするにしても、味加減というものは、厳密に一致するとはいえないから、どうしても、前もって料理に必要な分量だけつくっておくのがよい。味はあまり強めでないのがよいが、これはその家の風《ふう》でこしらえるのがよいと思う。たれをつくるには、すでにご承知であろうが、砂糖と醤油と酒とを適当に混和する。酒はふんだんに使うのがよろしい。かんざましでよい。アルコール分は含まれていなくていいのだし、飲んで酔おうというのとは異なるから、かんざましでよいわけである
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