―焼きのりでもよい――を、細かく揉《も》んでかける。四角に切ったのを、一枚のせたりするのは感心しない。
しかし、のりというものは、なかなかむずかしく、焼き方にコツがある。
現に、京阪などでは、生《なま》で使っている。それは別として、うまく焼けたものは、たいへんうまいものである。
京阪のような大都会でさえ、のりの焼き方を知らないのであるから、いわんや地方ではいうをまたない。東京といっても、地方の人が大部分で、存分なのりの焼き方のできるひとは稀《まれ》なことであろう。百円ののりを五十円ぐらいに下落させて食べているのが大部分である。
要するに、雑煮はあり合わせで、見つくろって出せばよいのだ、ということを会得していただければ結構なのである。
底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1934(昭和9)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年11月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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