を利用してつくられたものが始まりだが、現今では寒い国はどこでもつくっているので、種類も多くなってきた。従って買い方にも注意を要する。質のよいものほどよい色をしているし、肌にも粗密の差があるから、買いなれないとわからないので経験を要する。
しかし、高野豆腐を賞味するということはシャレたことだから、そうやすやすと取り扱うべきものではない。以上のような心構えがあって欲しい。
ところで近来、製法が進歩したと見えて、秘伝を要しなくても、相当にうまい高野豆腐ができるようになった。従って、今述べたようなわたしの心配はなくなったかも知れない。
底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1933(昭和8)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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