こんなものである。カタツムリなど珍しがって喜ぶ仏人、だいたい日本酒の半値であるワインを貴重にして飲み続ける仏人、これを礼賛して自己の名誉のごとく感ずる色眼鏡党、日本人の贔屓《ひいき》客。いつになったら自分の識見で物を見、自分の舌で味を知ることができるのか。嗚呼《ああ》。



底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
   2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
   1993(平成5)年発行
初出:「芸術新潮」
   1954(昭和29)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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