切って逢《あ》えたのですから、二人とも、もっともっと喜んでくれてもよさそうなものを……と、多少不本意に思わぬでもありません。二人とも妙に口数が尠《すくな》くて……そして気のせいか、それとも薄暗い木陰のせいか、顔色が青ざめ切って、悄然《しょんぼり》としているように思われます。
が、今聞けば、家が焼けたさえあるに二人の頼りにし切っている父親まで亡くなったというのですから、これでは気の浮こう道理はありません。そして約束を破った私に腹を立ててもいるのでしょうから、沈み切っているのも無理はない……とその時は思ったのです。
ともかく聞いてみたいことは山ほどあります。父親も亡くなったのに、なぜまだ二人は、こんな山の中に住んでるのか? それなのにどうしてこの春は、神保町《じんぼうちょう》でジーナに逢い、スパセニアはわざわざ私の家まで訪ねて来たのか? 水番の六蔵や馬丁《べっとう》の福次郎、農夫たちの姿も見えなかったようだが、みんなまだいるのかどうか? そして今見れば、ペリッもいないようだが、あの犬や馬はどうしたのか? それからそれと聞きたいことは胸一杯わき起っていましたけれど、では何事も明日《あした
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