いじゃありませんか!」
と私は牧田氏を顧みた。
「そうするでがす。わしもそう思うとるでがす」
と、牧田氏の言葉はなくて、六蔵が引き取った。
「今日までは幽霊だとか何だとか、わしも気味《きび》悪かったでやすが、旦那様がおいでになって、もうなんともねえでがすから、早速そうするでがす……」
風が梢《こずえ》を颯々《さっさつ》と鳴らして、香煙がゆらいでいた。
底本:「橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇」中央書院
1996(平成8)年6月10日第1刷
初出:「小説春秋」
1956(昭和31)年4〜5月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年12月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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