して心配はかけないという返事を出した。
僕があがるのはいつも井筒屋だが、吉弥と僕との関係を最も早く感づいたのは、そこのお君である。皮肉にも、隣りの室に忍び込んで、すべてを探偵したらしく、あったままの事実を並べて、吉弥を面と向っていじめたそうだ。
吉弥はこれが癪《しゃく》にさわったとかで、自分のうちのお客に対し、立ち聴きするなどは失礼ではないかとおこり返したそうだが、そのいじめ方が不断のように蔭弁慶《かげべんけい》的なお君と違っていたので、
「あの小まッちゃくれも、もう年ごろだから、焼いてるんだ、わ」と、吉弥は僕の胸をぶった。
「まさか、そんなわけじゃアあるまい」と、僕は答えた。
しかし、それから、お君は英語を習いに来なくなったのは事実だ。
僕も、これが動機となって、いくらかきまりが悪くなったのに加えて、自分の愛する者が年の若い娘にいじめられるところなどへ行きたくなくなった。また、お貞が、僕の顔さえ見れば、吉弥の悪口《あっこう》をつくのは、あんな下司《げす》な女を僕があげこそすれ、まさか、関係しているとは思わなかったからでもあろうが、それにしては、知った以上、僕をも下司な者に見な
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