u:ber die Go:tterwelt〕”
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]―H.Cohen
[#ここで横組み終わり]
[#ここに土田杏村の「跋」入る]
後より來る者におくる
子ども等よ
いまは頭も白髮《しらが》となり
骨が皮をかぶつたやうな體躯《からだ》を
漸く杖でささへて
消えかかつた火のやうに生きてゐるお前達のお爺さんを見な
あれでも昔は若くつて大膽で
君等のお父さん達が
いま鍬鎌を振りまはして田圃や畑でたたかつてゐるやうに
弓矢銃丸《やだま》の間をくぐりむぐつて
いさましいはたらきをしたもんだ
子ども等よ
鐵のやうに頑丈であれ
やがて君達のお父さんがお爺さんのやうになる時
其時、君等はお父さんのやうな大人《おとな》になるのだ
此の時代と世界とを
そして立派にうけ繼ぐのだ
その君達のことを思へば
此の胸はうれしさで一ぱいになるぞ
おお勇敢な小獅子よ
お爺さんよりお父さんより
君等はもつとどんなに強くなることか
こつちをみろ
[#ここから1字下げ]
自分の此詩集が日光の中に出るやうになつたのは親友早坂掬紫、平井邦二郎、前田夕暮等の友情によつてであることを大なる感謝をもつてここに記しておく。更にこれらの名の中に自分は自分の妻ふじ子の名をもかき加へなければならない。
[#ここで字下げ終わり]
底本:「日本現代文學全集 54 千家元麿・山村暮鳥・佐藤惣之助・福士幸次郎・堀口大學集」講談社
1966(昭和41)年8月19日発行
※「薄暮の祈り」と「後より來る者におくる」のあいだにおかれた土田杏村による跋を、別作品(「風は草木にささやいた 02 跋」土田杏村)として切り分けました。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:土屋隆
校正:田中敬三
2009年4月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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