さりゆてゑしよん
純銀霜月の
光にびしよ濡れ
いちねん
智慧の玉乘り
頭蓋《あたま》がないぞ、おい、
玉は陰影《かげ》を引き
みちばたの草にかくれた。
鑿心抄
秋ふかみ
さみしらに
栗鼠鳴き
瞳《め》を永遠につらならせ。
*
立てる十字架
立てるは胸の上
ひねもす
にくしんの蟲を刺し。
*
しろがねの
ほんねんのかねは
こずゑに
しづかなり。
わがそら
わがてのうへに
ゆれゆれて
したたる。
*
やまにはやまのしんねん
ひとにはひとのりんくわく。
肉
癩病める冬の夜天
聖靈のとんねる[#「とんねる」に傍点]
ふおく[#「ふおく」に傍点]は悲しめ斷末魔
純銀食堂車
卓上に接吻あり
卓上永生はかなしめ。
晝
としよりのゐねむり
ゐねむりは
ぎんのはりをのむ
たまのりむすめ
ふゆのひのみもだえ
そのはなさきに
ぶらさがりたるあをぞら。
汝 に
大空
純銀
船孕み
水脈
一念
腹に
臍あり。
燐 素
指を切る
飛行機
麥の芽青み
さみしさに
さみしさに
瞳《め》を削げ
空にぷらちな[#「ぷらちな」に傍点]
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