》ぬ間《あいだ》にかかる有様《ありさま》となったので、私も何だか一種いやな心持《こころもち》がして、その日はそれなり何処《どこ》へも出ず過《すご》した、しかし幸《さいわい》と何事も無く翌日になったが、未《ま》だ昨日《きのう》の事が何《なん》だか気に懸《かか》るので、矢張《やはり》終日|家居《いえい》して暮したが、その日も別段変事も起《おこ》らなかった、すると、その翌日|丁度《ちょうど》三日目の朝、突然私の実家から手紙で、従兄《いとこ》が死んだことを知らして来た、書中《しょちゅう》にある死んだ日や刻限が、恰度《ちょうど》私が活《い》けた夏菊の萎《しお》れた時に符合するので、未《いま》だに自分は不思議の感に堪《た》えぬのである。
底本:「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房
2007(平成19)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「怪談会」柏舎書楼
1909(明治42)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2008年9月22日作成
2008年10月12日修正
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