ところ》へ迎《むか》いに来たんです。
 楼《うち》へ帰ってからその主人は、三月《みつき》ほど病《わずら》いました。病《わずら》ったなり死んでしまいました。
 夜釣に行くくらいだからそう憶病者ではなかったのです。水の中も掻《か》き廻《ま》わしたくらいなのですけれど、千住へ来るまでは怖くって口も利けなかったと言ってたそうです。
 それから私の祖父《じじい》も釣《つり》を止《よ》しました。大変好きだったのですが止《よ》してしまいました。



底本:「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房
   2007(平成19)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「新小説 明治四十四年十二月号」春陽堂
   1911(明治44)年12月
初出:「新小説 明治四十四年十二月号」春陽堂
   1911(明治44)年12月
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2008年9月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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