地山謙
片山廣子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)象《かたち》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)内|卦《くわ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「竹かんむり/弄」、第3水準1−89−64]
−−
Tが私のために筮竹や※[#「竹かんむり/弄」、第3水準1−89−64]木を買つて来て、自分で易を立てる稽古をするやうすすめてくれたのは、もうずゐぶん古い話であつた。お茶やお花のやうに易のお稽古をするといふのも変な言ひかたであるけれど、初めのうち私はほんとうに熱心にその稽古を続けてゐた。易の理論は何も知らず、内|卦《くわ》がどうとか外|卦《くわ》がかうだとか予備知識をすこしも持たず、ただ教へられたまま熱心にやつてみた。
そのずつと前から、私は易を信じて事ある時には大森のK先生のお宅に伺つて占断をお願ひしてゐたので、火[#「火」に傍点]とか水[#「水」に傍点]とか、天[#「天」に傍点]や地[#「地」に傍点]や風[#「風」に傍点]
次へ
全5ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
片山 広子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング