はあって、いずれも風流を喜ぶ人にはその名を知られていたが、田が埋められて町になると、今では一、二カ処しか残っていず、しかも割合に高い入場料をさえ払わねばならないようになってしまった。
向嶋も今では瓢箪《ひょうたん》を下げた風流人の杖を曳く処ではなく、自動車を飛《とば》して工場の製作物を見に行く処であろう。
底本:「荷風随筆集(上)」岩波文庫、岩波書店
1986(昭和61)年9月16日第1刷発行
2006(平成18)年11月6日第27刷発行
底本の親本:「荷風随筆 一〜五」岩波書店
1981(昭和56)年11月〜1982(昭和57)年3月
入力:門田裕志
校正:阿部哲也
2010年3月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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