ど出来めえ、牛馬のように……」
言葉は、涙に遮《さえぎ》られて、低く語尾を引いた。
こうは言ったが、お婆さんは、お美代の身の上を哀れに思うよりも、お美代を失った自分の身の、死期までの寂しさ、すべての不自由を思わずにはいられなかった。
[#地から2字上げ]――昭和二年(一九二七年)『随筆』二月号――
底本:「佐左木俊郎選集」英宝社
1984(昭和59)年4月14日初版発行
初出:「随筆」
1927年(昭和2)年2月号
入力:田中敬三
校正:林 幸雄
2009年3月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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