、その絵は今でも私の郷里の家に残っている。私は、帰郷のたびごとに、再度生老人を懐しく思い出すのであるが、その菅公の像というのは、今になって見ると、中学生の図画と選ぶところがないほど、ひどく下手なものである。私は、いつもこの絵を見るたびにあの哀れな老人の上に微笑を洩らさずにはいられない。
[#地から2字上げ]――昭和三年(一九二八年)『宇宙』九月号――
底本:「佐左木俊郎選集」英宝社
1984(昭和59)年4月14日初版
初出:「宇宙」
1928(昭和3)年9月号
入力:田中敬三
校正:小林繁雄
2007年7月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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