と雖吾れ往かんは、物無きなり。
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七二 三軍不[#レ]和、難[#二]以言[#一レ]戰。百官不[#レ]和、難[#二]以言[#一レ]治。書云、同[#レ]寅協[#レ]恭和衷哉。唯一和字、一[#二]串治亂[#一]。
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〔譯〕三軍和せずば、以て戰《たゝかひ》を言ひ難《がた》し。百官和せずば、以て治《ち》を言ひ難し。書に云ふ、寅《いん》を同じうし恭《きよう》を協《あは》せ和衷《わちゆう》せよやと。唯だ一の和字、治亂《ちらん》を一串《いつくわん》す。
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〔評〕復古《ふくこ》の業《げふ》は薩長《さつちやう》の合縱《がつしよう》に成る。是れより先き、土人坂本|龍馬《りゆうま》、薩長の和せざるを憂《うれ》へ、薩|邸《てい》に抵《いた》り、大久保・西郷諸氏に説き、又長邸に抵《いた》り、木戸・大村諸氏に説く。薩人黒田・大山諸氏長に至り、長人木戸・品川諸氏薩に往《ゆ》き、而て後|和《わ》成り、維新《いしん》の鴻業《こうげふ》を致《いた》せり。
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