げ]
〔譯〕凡そ學を爲すの初め、必ず大人たらんと欲するの志を立て、然る後書讀む可し。然らずして、徒《いたづら》に聞見を貪《むさぼ》るのみならば、則ち或は傲《がう》を長《ちやう》じ非を飾《かざ》らんことを恐る。謂はゆる寇《こう》に兵を假《か》し、盜《たう》に糧《りやう》を資《し》するなり、虞《おもんぱか》る可し。
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八二 以[#二]眞己[#一]克[#二]假己[#一]、天理也。以[#二]身我[#一]害[#二]心我[#一]、人欲也。
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〔譯〕眞己《しんこ》を以て假己《かこ》に克《か》つ、天理なり。身我《しんが》を以て心我を害《がい》す、人欲《じんよく》なり。
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八三 無[#二]一息間斷[#一]、無[#二]一刻急忙[#一]。即是天地氣象。
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〔譯〕一|息《そく》の間斷《かんだん》無く、一|刻《こく》の急忙《きふばう》無し。即ち是れ天地の氣象《きしやう》なり。
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〔評〕木戸公毎旦|考妣《ちゝはゝ》の木主を拜す。身|煩劇《はんげき》に居ると雖、少しくも怠《おこた》らず。三十年の間一日の如し。
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八四 有[#レ]心[#二]於無[#一レ]心、工夫是也。無[#レ]心[#二]於有[#一レ]心、本體是也。
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〔譯〕心無きに心有るは、工夫《くふう》是なり。心有るに心無きは、本體《ほんたい》是なり。
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八五 不[#レ]知而知者、道心也。知而不[#レ]知者、人心也。
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〔譯〕知らずして知る者は、道心《だうしん》なり。知つて知らざる者は、人心《じんしん》なり。
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八六 心靜、方能知[#二]白日[#一]。眼明、始會[#レ]識[#二]青天[#一]。此程伯氏之句也。青天白日、常在[#二]於我[#一]。宜[#下]掲[#二]之座右[#一]、以爲[
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