《ひとつき》の俸《ほう》金を與へん、汝は宜しく汝の心に向《むか》うて我が才力《さいりき》如何を問ふべしと。其人|復《ま》た來らず。
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四八 無[#レ]爲而有[#レ]爲之謂[#レ]誠。有[#レ]爲而無[#レ]爲之謂[#レ]敬。
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〔譯〕爲す無くして爲す有る之を誠《まこと》と謂ふ。爲す有つて爲す無し之を敬《けい》と謂ふ。
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四九 寛懷不[#レ]忤[#二]俗情[#一]、和也。立脚不[#レ]墜[#二]俗情[#一]、介也。
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〔譯〕寛懷《かんくわい》俗情《ぞくじやう》に忤《さか》はざるは、和《わ》なり。立脚《りつきやく》俗情に墜《お》ちざるは、介《かい》なり。
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五〇 惻隱之心偏、民或有[#二]溺[#レ]愛殞[#レ]身者[#一]。羞惡之心偏、民或有[#下]自[#二]經溝涜[#一]者[#上]。辭讓之心偏、民或有[#二]奔亡風狂者[#一]。是非之心偏、民或有[#二]兄弟鬩[#レ]牆父子相訟者[#一]。凡情之偏、雖[#二]四端[#一]遂陷[#二]不善[#一]。故學以致[#二]中和[#一]、歸[#三]於無[#二]過不及[#一]、謂[#二]之復性之學[#一]。
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〔譯〕惻隱《そくいん》の心|偏《へん》すれば、民或は愛《あい》に溺《おぼ》れ身を殞《おと》す者有り。羞惡《しうを》の心偏すれば、民或は溝涜《かうとく》に自經《じけい》する者有り。辭讓《じじやう》の心偏すれば、民或は奔亡《ほんばう》風狂《ふうきやう》する者有り。是非の心偏すれば、民或は兄弟|牆《かき》に鬩《せめ》ぎ父子相|訟《うつた》ふ者有り。凡そ情の偏するや、四|端《たん》と雖遂に不善《ふぜん》に陷《おちい》る。故に學んで以て中和を致《いた》し、過不及《かふきふ》無きに歸《き》す、之を復性《ふくせい》の學と謂ふ。
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〔評〕江藤|新平《しんぺい》、前原|一誠《いつせい》等の如きは、皆|維新《いしん》の功臣として、勤王二なく、官は參議《さんぎ》に至り、位
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