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〔評〕政府|郡縣《ぐんけん》の治《ち》を復《ふく》せんと欲す、木戸公と南洲と尤も之を主張す。或ひと南洲を見て之を説く、南洲曰く諾《だく》すと。其人又之を説く、南洲曰く、吉之助の一諾、死以て之を守ると、他語《たご》を交《まじ》へず。
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二四 心爲[#レ]靈。其條理動[#二]於情識[#一]、謂[#二]之欲[#一]。欲有[#二]公私[#一]、情識之通[#二]於條理[#一]爲[#レ]公。條理之滯[#二]於情識[#一]爲[#レ]私。自辨[#二]其通滯[#一]者、即便心之靈。
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〔譯〕心を靈《れい》と爲す。其の條理《でうり》の情識《じやうしき》に動《うご》く、之を欲《よく》と謂ふ。欲に公私《こうし》有り、情識の條理に通ずるを公と爲す。條理の情識に滯《とゞこほ》るを私と爲す。自ら其の通《つう》と滯《たい》とを辨《べん》ずるは、即ち心の靈《れい》なり。
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二五 人一生所[#レ]遭、有[#二]險阻[#一]、有[#二]坦夷[#一]、有[#二]安流[#一]、有[#二]驚瀾[#一]。是氣數自然、竟不[#レ]能[#レ]免、即易理也。人宜[#二]居而安、玩而樂[#一]焉。若趨[#二]避之[#一]、非[#二]達者之見[#一]。
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〔譯〕人一生|遭《あ》ふ所、險阻《けんそ》有り、坦夷《たんい》有り、安流《あんりう》有り、驚瀾《きやうらん》有り。是れ氣數《きすう》の自然にして、竟《つひ》に免《まぬが》るゝ能はず、即ち易理《えきり》なり。人宜しく居つて安んじ、玩《もてあそ》んで樂《たの》しむべし。若し之を趨避《すうひ》せば、達《たつ》者の見に非ず。
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〔評〕或ひと岩倉公幕を佐くと讒《ざん》す。公|薙髮《ていはつ》して岩倉邸に蟄居《ちつきよ》す。大橋|愼藏《しんざう》、香《か》川|敬《けい》三、玉松|操《みさを》、北島|秀朝《ひでとも》等、公の志を知り、深く結納《けつなふ》す。南洲及び大久保公、木戸公、後藤象次郎、坂本龍馬等公を洛東より迎へて、朝政に任ぜしむ。公既に職に在り、屡《しば/\》刺客《せきかく》の狙撃《そげ
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