《ばつせふ》して終日獵り暮らし、一田家に投宿し、浴終りて心神いと爽快に見えさせ給ひ、悠然として申されけるは、君子の心は常に斯の如くにこそ有らんと思ふなりと。
四一 身を修し己れを正して、君子の體を具ふる共、處分の出來ぬ人ならば、木偶人も同然なり。譬へば數十人の客不意に入り來んに、假令何程饗應したく思ふ共、兼て器具調度の備無ければ、唯心配するのみにて、取賄ふ可き樣有間敷ぞ。常に備あれば、幾人なり共、數に應じて賄はるゝ也。夫れ故平日の用意は肝腎《かんじん》ぞとて、古語を書て賜りき。
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文[#(ハ)]非[#(ル)][#二]鉛槧[#(ニ)][#一]也。必[#(ズ)]有[#(リ)][#二]處[#(スル)][#レ]事[#(ニ)]之才[#一]。武[#(ハ)]非[#(ル)][#二]劒楯[#(ニ)][#一]也。必[#(ズ)]有[#(リ)][#二]料[#(ル)][#レ]敵[#(ヲ)]之智[#一]。才智之所[#レ]在[#(ル)]一焉而已。[#ここから割り注]○宋、陳龍川、酌古論序文[#ここで割り注終わり]
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