った。
 果ては顔中がベトベトになってしまって、尚かつひっきりなしにはふり[#「はふり」に傍点]落ちてくるもののあることが仕方がなかった。
 いつか音に立てて圓朝は男泣きに泣きだしてさえ、いた、表の、いよいよ風まじえ、暴れ、哮《たけ》り乱れ鳴る小銃の音すら遮って降りつのりまた降りつのる底抜雨のざざ降りに、今ぞ根こそぎ快く身をも心をも洗い尽されるようなものを感じながら。



底本:「小説 圓朝」河出文庫、河出書房新社
   2005(平成17)年7月20日初版発行
底本の親本:「小説 圓朝」三杏書院
   1943(昭和18)年4月刊
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※編集部のつけた各章のサブタイトルは省きました。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年1月7日作成
青空文庫作成ファイル:
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